妊娠中には身体にさまざまな症状が現れます。一般的に次の症状が見られます。
●つわり
●腰痛
●頻尿
●便秘
●痔
●立ちくらみ
●むくみ(浮腫)
●帯下(たいげ)
●静脈瘤(じょうみゃくりゅう)
●下腿痙攣(かたいけいれん)
その他、貧血や妊娠中毒症なども注意が必要です。
☆つわり
つわりの症状は、妊娠初期に出ます。つわりの症状があると食べ物を食べるのがつらいものですが、幸い、この時期、胎児はさほど活発に成長しませんので、それほど栄養素が必要ではありません。食べ易いもの、食べられるものを無理せずに食べるようにしましょう。消化の良いものを少しずつ食べるようにします。水分が多いもの、冷たく冷やしたもの、さっぱりしたものが食べ易いようです。果汁などがいいかもしれませんね。
特に食後は、安静にして吐き気がおさまるのを待ちましょう。食べられるときに食べるように、小さなクッキーやチーズを常備しておくといいでしょう。
つわりは精神的要素が大きく左右します。家族も協力し、散歩をしたり、趣味に関心を向けてつらい時期を乗り越えましょう。
☆腰痛
妊娠末期になると腹部が大きくなり、重心が前に傾きがちになります。そのため姿勢が悪くなり、腰痛を引き起こすことになります。自分で姿勢を正すために、1日に何度も壁を背にして立ち、姿勢を矯正しましょう。意識して背筋を伸ばして正しい姿勢を心がけることが腰痛予防の最善策です。また、妊娠末期には、腹部が大きくなるので、仰向き、またはやや横向きで横になり、下腹部の下の膝下にまくらなどを置くと楽に休めます。
長時間の立ち仕事、すわりっぱなしはよくありません。締め付けすぎないようにやわらかいコルセットをつけると安定します。
☆悪阻
妊娠悪阻(にんしんおそ)というのは、つわりが重症になったものをいいます。
原因は、ホルモンバランスや、栄養、心理状態などさまざまな要因が絡んで生じますが、はっきりとした原因は不明です。つわりで嘔吐が続き、しっかりとした栄養がとれない場合に、栄養素やミネラル、水分などが不足することから、胃液や胆汁が失われる結果、内臓にさまざまな障害が生じ、重症化します。
悪化すると、人工中絶をせざるを得ない場合もありますが、そこまでいくことはまれで、たいていは改善します。
以下の症状を「つわり」の症状といいます。
●1日に5回以上の嘔吐がある。
●食事量が半分以下になる。
●体重が5キログラム以上減少する。
●気分が悪くて起き上がれない。
これらの症状がひどくなると、「悪阻(おそ)」と呼ばれます。悪阻は段階によって1~3に分かれます。
1段階・・・脱水症状を起こし、低栄養状態となります。
症状
●空腹時に胃液や胆汁を吐く。
●尿量の減少。
●体重の減少。
病態
●嘔吐がやまず、何度も繰り返す。
●栄養摂取不足。
対応
●厳重な管理のもと、鎮痛薬、心理療法、鎮吐薬、補液療法。対処療法が中心となります。
2段階・・・中毒症状を起こします。
症状
●著しい体重の減少。
●頻脈。
●発熱。
●黄疸。
病態
●肝機能障害
●腎機能障害
●物質代謝障害
対応
●集中管理
●人工妊娠中絶
3段階・・・脳症状を起こします。
症状
●神経症状
●反射低下
●自然流産(母体死亡)
病態
●意識障害
(鈴木正彦 産婦人科治療 参照)